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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第79章 ◇第七十八話◇迷子【恋の行方編】


リヴァイ兵長とはぐれてすぐに、2回目の爆発が起きた。
パニックと恐怖は人を混乱の渦に飲み込み、調査兵達の誘導も虚しく、パーティー会場は、我先に逃げようとしている人の群れで収拾がつかない状態になっている。
そんな人の波からなんとか逃れようともがいた私は、いつの間にか、南側バルコニー近くまで来てしまっていた。
リヴァイ兵長が向かっていた方向とは反対側な上、警備を担当している調査兵団の兵士が誘導している入口も視界には見えるが、決して近くない。

(どうしよう…っ。)

倒れたテーブルや散乱した料理、必死の形相で逃げ惑う人達。
ぶつかった誰かのことなんて見えていないみたいに、倒れた誰かの身体の上を人が踏んでいく。
ほんの数分前までは、おとぎ話の世界のようだったそこは今、人間が醜態を晒すだけの修羅場と化していた。
そんな中、強引に人の群れの奥に入り込もうとしたドレスが、小さな男の子にあたった。
床に倒れて泣き出した男の子を誰も気にも留めず、その横を通り過ぎ、人の群れが飲み込もうとしていた。
慌てて駆け寄って、男の子を抱き上げた。
5歳くらいだろうか。
薄汚れたシャツと、裾の短いズボンを履いていて、とても貴族のご子息には見えない。
どこからか迷い込んできたのだろうか。
不思議には思ったが、今はそれどころではない。

「もう大丈夫、大丈夫だからね。」

男の子を抱き上げるために、また人の波に迷い込んだ私は、押し寄せる人達に流されるしかなくなった。
気づけば、パーティー会場から追い出されるように階段を降りきってロビーまで来ていた。
ロビーの壁の一部が崩れていることに気づき、思わず足が止まる。
1回目か2回目かわからないが、そこで爆発が起きたようだった。

「ママぁぁあ〜っ。」

泣き喚く男の子を抱き直し、私は人波をくぐり抜け、急いでロビーを抜けた。
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