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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第78章 ◇第七十七話◇絵本の世界へようこそ【恋の行方編】


以前のパーティーのときのように、エルヴィン団長は挨拶回りで忙しいようだった。
パーティーに来るようにという指示を出したシャイセ伯爵に挨拶をした後も、いろんな人たちと言葉を交わし始めた。
兵士長もそういうことが必要なのだと思ったが、見た目通りそういうのが得意ではないらしいリヴァイ兵長は、自由に動き回ることを許されているようで、そこに加わることはなかった。

「お前、本当に兵士長の女だったんだな。」

父親が去っていったのを見計らったように、シャイセの息子のクローテが私とリヴァイ兵長の元へ近づいてきた。
そして、私の手がまわるリヴァイ兵長の腕をジロジロとなめまわす。
すごく嫌な感じがして、私は腕を握る手に無意識に力を入れてしまった。

「てめぇのことは、ナナバから聞いてる。
 よかったな、おとなしく忠告を聞いておいて。
 そうじゃなきゃ、お前は大好きな肉も食えずにそれ以上肥えることは出来なかっただろうな。」

リヴァイ兵長が何を言っているのかは分からなかったけれど、クローテは少し顔を青くした。
でも、すぐに意地悪く口元を歪めて、私とリヴァイ兵長を交互に見て口を開いた。

「お前ら、怒らせちゃいけねぇ悪魔を起こしちまったみてぇだな。」
「あぁ、そうみてぇだな。」
「なんだ、知ってんのか。」

途端に、クローテはつまらなそうな顔をした。
そしてー。

「言っとくが、俺はもう悪魔の女になんて興味ねぇからな!
 巻き込まれるのは御免なんだ!死ぬなら勝手に死んでくれ。」

クローテは捨て台詞を吐いて、さっさとどこかへ行ってしまう。
何の話をしていたのか、私にはさっぱり分からなかった。
でも、リヴァイ兵長は、クローテが何を言っているのか分かっているようだ。

「…何の話ですか?私は今、フラれたんですか?死ぬんですか?」
「気にするな。頭まで脂肪で出来ちまって、おかしくなってんだろ。」

リヴァイ兵長はそう言うと、腕を組む私を連れて歩き始めた。
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