• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第77章 ◇第七十六話◇因縁のドレス【恋の行方編】


部屋の扉が開いて、タキシード姿のリヴァイ兵長が入ってきた。
私服でも、兵団服でもない。
初めて見るリヴァイ兵長の正装姿だった。
スラリと背の高いナナバさんの方が、タキシード姿は様になっていたかもしれない。
でも、私には、いつもとは違うその姿がとても魅力的に見えて、素敵で、凛々しくて、だからー。
思わず立ち尽くしてしまった私の手を、リヴァイ兵長が掴んだ。
驚いた時には、もう引っ張られていてー。

「来い。馬車が待ってる。」

私の手を引っ張りながら、リヴァイ兵長が言った。
背中しか見えないのに、タキシード姿が男らしく見えて、胸がきゅっと締め付けられる。
このまま、私をどこかへ連れ去ってくれればいいのにー。
ジーニーも、誰もいないところへー。

「…っ。ひとりで、歩けます。」

私は、リヴァイ兵長の手を振りほどいた。
一瞬、立ち止まりかけたリヴァイ兵長は「そうか。」とだけ言って、振り返りもせずに歩いていく。
だから、私はその背中を追いかけた。
たったの数日振りなのに、すごく会いたかった人の背中だ。
でも、一番会いたくなかった人だー。




/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp