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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第71章 ◇第七十話◇幸せを握り潰す君の手を愛したから【恋の行方編】


その後、私には子爵だと告げていた爵位も、本当は侯爵なのだと教えられた。
身分が高い故に、子供の頃から身を狙われることが多く、本当の出身を隠すことが癖になっていたことを謝られた。
一気に、頭が真っ白になった。
ルーカスが王都に住んでいて、本当は侯爵。そしてー。

「だから、僕なら君を王都に連れて行ってあげられる。
 トロスト区から出ることすら許してくれない彼らと違ってね。
 君の家族が今ストヘス区に住んでいるのなら、許してもらうのは前よりは簡単なはずだ。」

だから、僕の手をとってー。
ルーカスは、もう一度、私に手を差し伸べた。
それが、私を悲しい恋から救い出してくれる手に見えた。

(この手を取ったら…、私はもう悲しい思いをして泣かなくていいのかな…。)

私の心の奥にある寂しさが、必死に我慢していた寂しさが、私の心を埋め尽くそうとする。
どうにか保っていた兵士としての尊厳とか、女としてのプライドとか、リヴァイ兵長へのー想いとか。
ルルの声すらも、私の意識のどこか遠くへ消えていくようだった。

『絶対に幸せになりなさいよ。』

ヒルラの笑顔と、真っ赤なマニキュアのピースサイン。
絶対に幸せになれるのは、ルーカスだ。
あの日、ルーカスとの結婚を諦めて調査兵団を選んだ理由は、もうない。
家族も王都に行けるのなら、私にはもう足枷はない。
だって、どうせここにいても、私はー。
弱い心が、ルーカスの優しさに、ルーカスの愛につけ込もうとしている。
でも、ヒルラとルルにも、私の心にも、嘘は、つけないー。
それに、私は兵士だからー。

「ごめんなさい、私はー。」
「さっき、エルヴィン団長からも君を連れて帰る許可を貰ったんだ。
 君はもう自由の身だよ。何も気にすることはない。」
「え?」

私の断りを遮るためのルーカスの言葉に、私は驚いた。
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