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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第64章 ◇第六十三話◇雲を払う【恋の行方編】


は会議室のテーブルに肘をついて頭を抱えるようにして顔を伏せていた。
ピリピリした空気が放たれ続けていて、いつもなら軽口だって言い合える仲のペトラでさえも声をかけられずにいる。
早朝に起きた被験体襲撃事件を受けて、緊急で行われた会議には、前回の壁外調査で巨人捕獲作戦に参加したメンバーも含め、上官達が全員集められていた。
詳しい捜査は憲兵団が行うが、当事者である調査兵団の中に容疑者が現れたことで、何もしないわけにはいかなくなったのだ。
そこで、巨人捕獲作戦のメンバーとしても参加したは犯人として疑われていたし、彼女のアリバイを証言するジャンとアルミン、犯人を見たというジーニーも参加していた。
結局、訓練場で早朝からが自主練をしているところは、ジャンとアルミン以外にも、数名の上官が確認していたらしく、今朝の巨人研究所でのの本当に犯人を殺しかねない殺気からも、疑いはすぐに晴れたのだけれどー。

「でも!!私は本当に見たんです!!嘘じゃないんですっ!!」

ジーニーはさっきからそればかりだ。
ペトラも最初は、どうにかしてを犯人に陥れようとしているのではないかーと疑ってしまっていたが、ここまでくると彼女も嘘をついているのではないのではないかという気がしてくる。
だからと言って、が犯人だとはほんの欠片も思わないが。

「今、ここにいるもので、のマントにルル・クレーデルの紋章が
 縫い付けてあるのを知っていたものは挙手してくれ。」

しばらく黙っていたエルヴィン団長が訊ねたのは、そんなどうでも良さそうなことだった。
何の確認だろうかと訝しがる会議参加者たちはお互いの顔を見合わせる。
結果、数名を除いて、この会議に参加しているほとんどの調査兵が、のマントにルルの紋章が縫い付けてあることを知っていたことが分かった。

「そうか。
 今回、犯人の背中を見たのはジーニーだけしかいなかったが、
 他の調査兵が見ていたとしても、そのほとんどがが犯人だと思うわけだ。」

エルヴィンが言った言葉で、ペトラはようやくさっきの質問の意味を理解した。
そして、ゾクリとする。
だってー。

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