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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第63章 ◇第六十二話◇夜明け前の事件【恋の行方編】


は、争いには決して参加せず、巨人研究所にやってきて被験体が殺されたと知ったときから、ただただ呆然と今はもう何も残っていない被験体の跡を眺めている。
その背中では、ジーニーが見たという二つの自由の翼が風に揺れていた。
誰も犯人の背中すら見ていない中で、確かに、ジーニーの目撃情報は重要な手がかりだった。
さらに、巨人研究所にやってきたときからは立体起動装置を装備していた。
巨人を殺してきた帰りだと思われても仕方がないかもしれない。
でも、が立体起動装置を装備していたのには、ちゃんと理由がある。
今度の壁外任務のために夜明け前から訓練場で自主練をしていたのだ。
立体起動装置の扱いが上手いジャンが指導者になって、どう動けば一番効率的か、足りない腕力でも重たい刃を落とせるか、を実演して教えてあげていた。
腕力が足りないアルミンにとっても、とても勉強になった。
そんなことを考えながらジャンが立体起動装置を扱っていたのには驚いたけれどー。
とにかく、そのこともジャンとアルミンから説明したのだが、ジーニーとその取りまきや、もともとのことをよく思っていなかった数名の調査兵達は、仲間内で口裏を合わせたアリバイ工作だと信じてはくれないのだ。

「おい、何か言え。犯人にされたままでいいのか。」

リヴァイ兵長がに声をかけると、その背中がビクリと上下に動いた。
そして、ゆっくりと振り向いたの目は、壁外調査から帰ってきたときのあの死んだ目に似ていた。
途端に、シンと静まり返る巨人研究所で、が口を開く。

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