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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第60章 ◇第五十九話◇雨の日の兵士の憂鬱【恋の行方編】


パーティーの翌日から、巨人実験が再開された。
新しい試みも実施されたが、成果が分からないうちにその次の日から雨が続き、実験中止を余儀なくされている。
我が分隊の隊長が、毎朝窓の外を見てはため息を吐くのが日課になりつつあった今日、ようやく空に太陽が見えた。
喜びの雄叫びを上げたハンジさんが、巨人研究所へ走っていったのは言うまでもなく。
私はそのハンジさんに、晴れているうちに買ってきてほしいものがある、とおつかいに出された。
これまでも何度かおつかいとして訪ねたことのあるお店で、必要なものは購入できた私は今、数日振りの快晴を喜んだ調査兵達を嘲笑うように突然降り出した雨に愕然としているところだ。
だって、傘がないー!
急いで近くの店の軒下に逃げて、どうにか雨を凌ぐ。

(もうそろそろ、ハンジさん、泣き出すんじゃないかなぁ…。)

雨雲で薄暗くなってきた空を見上げた私は、今朝の嬉しそうなハンジさんを思い出す。
ようやく新しい実験を開始して、これから人類勝利への足掛かりを得ることが出来るかもしれなかったのにー。
まるで、人類の勝利を神が望んでいないみたいだ。
通り雨というわけでもないらしく、あっという間に土砂降りになってしまった雨を、私は恨めし気に見上げた。

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