• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第57章 ◇第五十六話◇不穏のはじまり(上)【恋の行方編】


「おい、エルヴィン。まだハンジはドレスに引っかかってんのか。
 シャイセの野郎が早くしろと門前で騒いでやがって、うるさくて仕方ねぇ。」

ノックもなしに部屋に入ってくるなり、文句を垂れたのはリヴァイ兵長だった。
そして、部屋の中央で、ドレスを脱ぐ、脱がないと騒いでいる私とハンジさんを見つけて、これでもかというほどに顔を歪めた。

「あぁ、ちょうどいいところに来たな、リヴァイ。
 適役をハンジが見つけてきたところだ。
 そろそろ出発出来る。」

エルヴィン団長が、満足気に言う。
行きたくないと必死にハンジさんと戦っていた私の姿をエルヴィン団長もしっかりと見ていたはずだ。
何て言ったって、必死に抵抗している私を鼻で笑ったのだからー!
だが、私の意見を聞く気はサラサラないらしい。

「エルヴィン団長、私はー。」
「どうだ、リヴァイ。
 なかなか似合っているだろう。
 これなら、シャイセ伯爵も満足すると思わないか。」

抗議をしようとした私の肩を引き寄せて、エルヴィン団長はリヴァイ兵長の方を向かせた。
久しぶりに、私とリヴァイ兵長が向かい合って立った。
でも、チッと舌打ちをするとすぐに背を向けられた。

「おい、モブリット。
 ハンジをドレスに詰め込め、押し込めばなんとかなる。」
「えーっ!?なりませんよ!無理ですっ!無理っ!!
 ハンジさんが窒息死しますっ!」
「じゃあ、そうしろ。死体なら暴れねぇから運びやすい。」
「はぁぁあッ!?リヴァイ、何言ってんのさっ!
 私は着ないからなっ!!何度言われても着ないからなっ!!」

私のことを無視して、リヴァイ兵長がモブリットさんに命令をした。
そして、モブリットさんとハンジさんと言い争いを始める。
そんなに、私の方を向くのが嫌なのだろうか。
綺麗なドレスを身に纏っているのに、私は今、とても惨めだ。
/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp