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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第57章 ◇第五十六話◇不穏のはじまり(上)【恋の行方編】


私史上最大の失恋を経験して、ツラいことが続いている中でも良いことは必ずあるらしい。
昨日、アニから近況を伝える手紙が届いた。
郵便係の調査兵から手紙を受け取った時に飛び跳ねるほど喜んだ私は、自分の近況を伝える返事をすぐに書いた。
さすがに、私史上最大で惨めな大失恋のことについては触れられなかったけれど、元気にしていることと、アニに手紙で訊ねられた次の非番の日を記しておいた。
久しぶりにスキップなんてしながら、兵社内にある郵便所へと向かう。
朝のうちに出しておけば、明日までにはストヘス区の憲兵施設に届くだろう。

「あ、」
「あ、」

郵便所の前でジャンとバッタリ会った。
顔を見るのは、あの夜の日以来だった。
私の顔を見た途端に、ジャンは顔を真っ青にして逃げ出した。

「あっ!待ってっ!」

私は慌ててジャンを追いかける。
ずっと、謝らないといけないと思っていた。
ペトラが、ジャンにはうまく伝えておくから会わなくてもいいと言っていたけれど、こうやって逃げられてしまうのだから、ちゃんと私から謝った方がいいに決まっている。

「ねぇ!お願い、待ってっ!!」

さすが、104期の訓練兵で優秀な成績をおさめた兵士なだけあって、ジャンは足も速い。
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