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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第53章 ◇第五十二話◇臆病者の夜【恋の行方編】


それから、時々思いついたことを話すくらいで、2人とも特に会話を楽しもうともせずに窓の外を眺めているうちに、景色は夜に変わっていった。
たまに見える外灯が暗闇をほんの気持ち程度照らすくらい夜だ。
三日月が心許なげに夜に色をつけているけれど、星はあまり出ていない。
雲がかかているのかもしれない。
そんなことを考えていると、いきなり馬車が跳ねるように揺れた。
それに驚いたときにはもう馬車は大きく横揺れを起こしていた。
馬車が揺れる度に身体が左右に持っていかれて、制御できない。

「キャァーっ。」

ついに馬車が横倒しになった。
思わず目を瞑った私の身体も、強い衝撃を受けて倒れていた。
でも、思ったより痛くなかったのは、リヴァイ兵長が私の身体を受け止めてくれていたからだ。
目を瞑る直前、私に手を伸ばすリヴァイ兵長が見えた気がする。

「おい、大丈夫か。」
「はい…、なんとか…。」
「チッ、馬が寝ぼけて転びやがったか。」

リヴァイ兵長は、私の身体を起こした後、苛立ち気味に言って自分も立ち上がった。
すぐに慌てた様子の馭者がやってきて、馬車の車輪が大きな岩を踏んでしまって倒れたことを教えてくれた。
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