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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第48章 ◇第四十七話◇自由な兵士【恋の行方編】


分隊の所属兵士達から預かった書類を提出するために団長の執務室にやってきていたはずのハンジだったが、その大事な書類はいつまでもエルヴィンの手元にはやってこなかった。
本来の目的である書類の提出も忘れて、ハンジが、捕獲した巨人の実験の進捗状況を嬉々として語っているからだ。
しかもそれは、過去に他の巨人で行った実験の反復であるため、エルヴィンはその結果を聞かずとも知っている。
だが、そこはハンジの頭から抜けているのか、それとも、自分がそうであるようにエルヴィンも知っていても聞きたいと思っているのか。おそらく、後者の方だ。

「の様子はどうだ。」

しびれを切らしたエルヴィンは強引に話題を変えて、ハンジの話の腰を折った。
単純な上に、頭の回転の速いハンジは、すぐにその話題に乗っかった。

「せっかく休暇があるなら無駄にしたくないって、
 部屋に籠って書類仕事に明け暮れてるよ。
 早く仕事を終わらせて、ストヘス区の憲兵施設に会いたい子がいるらしい。」
「そうか。それならよかった。
 良かったら、私にもその書類を見せてくれないか。」
「あぁ…!そうか、そうだったね!忘れてたよ。」

ハンジの手から、ようやくエルヴィンのもとに書類が渡った。
エルヴィンは、デスクの引き出しから取り出した眼鏡をかけて、書類の確認をしながら、口を開く。

「リヴァイの様子はどうだ?」
「リヴァイかい?うーん、いつも通りだと思うけどね。
 どうして?」
「いや、いつも通りなら問題ない。」
「そう?」

不思議に思いつつも、ハンジはそれで納得してしまう。
巨人のことになるととことん突き詰めようとするのに、そのほかのことには無頓着なのがハンジのいいところでもある。

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