• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第42章 ◇第四十一話◇まだそばにいたい【調査兵団入団編】


「あ。」
「あ。」

入ってきたのは、ペトラだった。
顔を見合わせて、そしてお互いに苦笑し合う。
短い付き合いだったのに、いつの間にかは自分達の奥深いところまで入り込んでいたらしい。
別れを惜しみ、少しでも長くがいた証を感じたいと思うくらい。

「それ、リヴァイ兵長が買ってくれたらしいですよ。」
「え!?リヴァイがッ!?」
「入団祝いらしいです。」

部屋に入ってくるなり、ティーカップのことを教えてくれたペトラに、ハンジは飛び上がりそうになるほど驚いた。
兵団に入ったばかりのがどうしてこんなに高価なものを買えたのかと思ったが、まさかリヴァイが買い与えていたなんて驚かない方がおかしい。
だが、これで納得もする。

「だから、置いて行ったんですかね。」

ハンジの手からティーカップを自分の手に持ちかえ、ペトラは眉尻を下げた。
なんだかそれが、悲しそうというか、切なそうというかー。

「え?なんで?持ってっちゃえばいいのに。
 要らないなら売ったら高く売れるよ?」

不思議に思って訊ねたハンジは、ペトラから引くほど軽蔑の目を向けられた。
部屋の扉が勢いよく開いたのは、そんなときだー。
壊れるんじゃないかというくらいに思いっきり開いた扉から飛び込んできたのは、104期の新兵だった。

/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp