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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第41章 ◇第四十話◇それぞれの眠れない夜【調査兵団入団編】


「は、意地っ張りで気も強くて負けず嫌いで
 いつだって誰より頑張ってた。
 初めて会ったときから、すごい兵士になるんだろうなって思ってました。」

ペトラは、に始めて会った日のことを思い出す。
異例の新兵の噂を聞いていたから、どんな女なのかと身構えていた。それこそ同性ということで、エルド達よりも敵視していたと思う。
そして、初めて会ったは、噂通り、いや、噂以上に綺麗だった。
容姿もそうなのかもしれないけれど、兵団内で目立ってしまっていたのは、綺麗な容姿よりも、綺麗な所作だったのだと思う。
ほどけた髪を耳にかけるその仕草ひとつとっても女性らしくて、兵団内で男達と切磋琢磨していた私達とは全く違っていた。
それが、妬みを増幅させた要因だったと思っている。
例にもれず、自分もそんなことに嫌悪して、どうせ厳しい特訓にはついてこられない彼女のことをすぐに辞めさせるようにリヴァイにお願いしようと思ったのに、彼女は私達の期待をいい意味で裏切った。
弱音も吐かず、泣き言も言わず、必死に食らいついてくるその姿は狂気すら感じるものがあったのに、任務を離れた途端に兵士ではなくなる彼女が、いつの間にか好きになっていた。
兵士らしくない彼女の弱さを守りたいと思うほどには、大切な大切な友人にー。

「そうか。」
「こんな世界に生きてるのに、いつも明るくて、純真で無垢で。
 彼女がいると兵団内がパァッと明るくなるんです。
 あぁ…、そう。前にナナバさんが言ってました。は天使みたいだって。」

白いワンピースを身に纏ったに、ナナバがそう言ったのは、その洋服も含めてだったのだと思う。
でも、今、気づいた。
は、兵士ではないどころか、人間ですらなかったんだ。
だって、彼女の心は、人間にしては綺麗すぎる。
だから、誰も死なせない兵士になりたいなんて夢みたいなことを言って、仕方のない死に対してもすぐに傷ついて。
儚い心を壊してしまう。
 
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