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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第39章 ◇第三十八話◇仇【調査兵団入団編】


「殺してください。」

勢いよく振り落とされたナイフは、の心臓に届く前に動きを止めた。
死を望んだの色のない瞳が、怒りと絶望と悲しみを宿した父親の瞳と頭上のナイフを見上げる。

「本当に…、殺すぞ…!」
「どうぞ、殺してください。それで、あなた達が少しでも楽になれるなら、少しは私の命が助かってしまった意味もあるということでしょう。」
「殺すからな!」

最後の最後に、人を殺すことを躊躇ってしまった彼に、は自分を殺してくれと繰り返した。
ルルの父親が生唾を呑み込む。ナイフを握る手に力が入ったのが分かった。
ハンジは急いでに駆け寄るが、この数メートルは、ルルの父親がもう一度躊躇ってくれなければ命を守れる距離ではないことは分かっていた。
だから、優しいルルの性格の元であろう父親に期待するしかなかった。
だが、ハンジの期待も虚しく、ルルの父親が握るナイフは今度こそ勢いよくの心臓に振り落とされた。
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