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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第34章 ◇第三十三話◇酔っぱらいの願い【調査兵団入団編】


「他の人と、キスしないで…。」

独り占めするみたいに、腕の中にある温もりを抱きしめる。
どうか、誰のものにもならないで。
誰にも触れないで。
恋をしないで。
何て勝手な願いだろう。
自分は、勝手にリヴァイ兵長を好きになって、勝手にその恋を諦めようとしているのに。
でも、どうかお願いします。
誰のものにもならないでー。

「チッ。酔っ払いが。」

フワフワする意識の上の方で、リヴァイ兵長が何かを言っているのが聞こえた気がした。
誰かと話しているのだろうか。
あぁ、コンラートさん達と一緒にお酒を呑んでいたんだった。
ゲルガーさんの分まで呑んでしまおうってコンラートさんがまたひとつお酒の瓶を空にするから、リヴァイ兵長が、いい加減にしろって止めて怒ってる声かもしれない。
明日、少なくなったお酒の瓶を前に、私もリヴァイ兵長もコンラートさん達もゲルガーさんに叱られるな。
いっぱい怒られて、コンラートさん達は、口を大きく開けて、下品に笑うんだ。
いっか。それも。
だって、そんな明日が来たらー。

「しあわせですね。」

幸せな気持ちになって、それを伝えたくて、リヴァイ兵長に微笑んだ。
リヴァイ兵長が、何かを言った気がする。
でも、それを私に伝える気はなかったように思う。
だって、小さく呟くように言ったし、それに、私の返事を望んでもいなかったはずだから。
何かを呟いた後、リヴァイ兵長は、私の腕を掴んで自分の方に引き寄せると、そのまま自分の唇で私の唇を塞いだ。
ぼんやりする頭も、熱い身体も、この状況も、お酒が見せた夢だろうか。
お酒でうるんだ瞳を、私はそっと閉じた。
このまま、時が止まればいいのにー。
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