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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第24章 ◇第二十三話◇残った貴方の跡は【調査兵団入団編】


「ありがとうございました。」

医務室を出て、頭を下げた私に、リヴァイ兵長は何も答えなかった。
きっと呆れていて、そして、迷惑なやつだと思ったに決まっている。
後ろからリヴァイ兵長の視線を感じたけれど、私は振り返らなかった。

「あ、おかえり~。遅かっ―。」
「ルルっ。」

部屋に戻った私は、ルルに抱き着いた。
廊下を歩く間中、ずっと我慢していたの。
平然とした顔で歩いて、夜更かしの兵士とたまにすれ違っても何事もないように「おやすみ。」って言えたの。
だから、今だけ、ほんの少しだけ素直にならせて。
きっと今頃、リヴァイ兵長とペトラは一緒にいるんだろう。
だから、今だけ―。

「好きだったの…っ、ちょっとだけよ。まだ、だい、だいじょうぶっ。
 でも、ちょっとだけ…っ、好きだったから、だから…っ!」
「うん、大丈夫だよ。大丈夫。」

まとまりのない私の泣き言を、ルルは抱きしめてくれた。
髪を撫でるルルの優しい手が、リヴァイ兵長を思い出させて、また泣いてしまったけれど、大丈夫。
これだけ泣けば、大泣きすれば、明日には忘れてる。
ひとりぼっちで不安なときに優しくされたら誰だって、どうも思っていないはずの人に恋をしたと勘違いすることだってあるし、この気持ちは一時の迷いに違いないし、大丈夫。
忘れてる。
こんな気持ち、明日には忘れてる。
ペトラの髪を撫でた優しいリヴァイ兵長の手の動きも、重なる2人の影も―。
だから、どうか、私を抱きしめたときのリヴァイ兵長の温もりはー。
どうか―。
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