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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第24章 ◇第二十三話◇残った貴方の跡は【調査兵団入団編】


リヴァイ兵長の手が、ペトラの前髪を優しく撫でる。
頬を染める可愛いペトラが、そっと目を閉じた。
僅かに止まったリヴァイ兵長の手は、目にかかるペトラの横髪を耳にかけると、そっと顔を近づける。
寝る前のラフな格好の2人は、誰がどう見ても、お休み前の恋人同士。
2人の動きが、まるでスローモーションみたいに、細部にわたってしっかり見えるのが不思議だった。
どうして、私は息を潜めて、リヴァイ兵長とペトラが今まさに唇を重ねようとしている姿を見ているんだっけ。
そうか、紅茶を作ろうと思ってキッチンに来たら、2人が向き合って深刻そうに何か話してたから声をかけづらくて、話が終わったらキッチンに入ろうと思って待ってたら、ラブシーンが始まったんだった。

(あ~、そっか。このティーカップは2人のだったのか。)

両手に持つティーカップを見下ろした。
空っぽになったそれには、甘い紅茶の香りがまだ残っていて、紅茶を飲みながら2人がどんな会話をしていたのかなんとなく想像がつく。
もしかたしらー。
もしかしたら、リヴァイ兵長とペトラは恋人同士ではないんじゃないかって、考えたこともあった。
あの写真はたまたま撮ったものだったとか、そもそも酔っぱらっていた私の見間違いとか。
でも、今、目の前の2人の唇はあと少しで重なって、私は彼らが残したティーカップを両手に持ってひとりぼっちで立ち竦んでいるだけ。
お酒でも飲んでいればよかったのに、今夜の私は意識だけはしっかりしている。
唇を噛んで、私は彼らから逃げるように背を向けようとした。
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