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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第22章 ◇第二十一話◇触れられない星【調査兵団入団編】


「ねぇ、ひろーいシャワールームがあるんだって。
 後で一緒に行こうよっ。」

ワクワクした様子で声をかけてきたのは、新しく調査兵団に入団したルルだ。
新兵勧誘式で入団を決めた訓練兵ではなく、駐屯兵として数年仕えていたのだが、数日前に入団してきた。
所属は私と同じハンジさんの分隊で、班は異なるが同じ歳ということもあり、すぐに仲良くなった。
人懐っこい性格で、調査兵団のみんなともすぐに打ち解けていた。
ルルが少し前の壁外任務で助けることになった彼女達と一緒になって、他の兵士達との懸け橋になってくれたおかげで、調査兵団での私の立ち位置も少しずつ心地よいものになってきている。
彼女については、どこかで会ったことがある気がするのだけれど、思い出せない。

「さすがお城なだけあるね!」
「行こう、行こう!」

お城のシャワールームはどんな風になっているのだろう、なんて女同士の楽しい掛け合い。
こんなのいつ振りだろう。
ここにヒルラがいたら、お気に入りの石鹸を持ってきたとしてやったり顔をしているのだろう。

「こんなこともあるかと思って、私、お気に入りの石鹸持ってきたんだよねぇ。」

してやったり顔のルルを見て、驚いた顔をするペトラ達と一緒に、私も驚いた。
まるで、ヒルラが喋ったような気がして―。

「どうかした?」
「え?ううん、なんでもないの。ただ、楽しいなぁと思っただけよ。」
「だね、私も久しぶりにすごく楽しい。」

嬉しそうなペトラ達と一緒に過ごしたその後の数時間は、私にとって今度こそ失いたくない幸せだった。
だって、兵士である彼女達と過ごすことで、私は、久しぶりに兵士であることを忘れることが出来たからー。
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