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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第20章 ◇第十九話◇対照的な彼と彼女の秘密【調査兵団入団編】


とても、幸福な夢を見ていた気がする。
温かくて、柔らかくて、フカフカでー。

(フカフカ…?)

懐かしい柔らかさを頬に感じて、私はゆっくり目を開いた。
見覚えはある気がするけれど、子供の頃から慣れ親しんだ私の部屋とは違う。
もちろん、堅いマットレスのベッドの宿舎の自室とも違う。

「あ、れ…?リヴァイ兵長、そんなところでなに、してるんですかぁ?」

ソファに仰向けに寝転ぶリヴァイ兵長は、顔に本を乗せていた。
不思議な恰好だ。
本を読みながら寝落ちでもしたのだろうか。
私が寝ぼけ眼をこすりながら、起き上がってベッドの縁に座ると、リヴァイ兵長は自分の顔の上にかぶせてあった本をどかしてこちらを見た。
とてつもない呆れ顔で―。

「…自分の部屋で、ソファで寝ていた。
 それ以外に何をしているように見えんだ。」

嫌味な言い方はこの際気にならなかった。
リヴァイ兵長は、自分の部屋、と言ったか。
ということは、ここはリヴァイ兵長の執務室兼自室ということなのか。
そこまで考えて、歓迎会の後に何があったのかを思い出した。

「あ…!」
「あ、じゃねぇ。」

リヴァイ兵長は、ため息を吐く。
柔らかいベッドはとても寝心地が良かったと褒めてみたけれど、火に油を注ぐだけだったようで、怖い顔で睨まれた。
それもそうだ。
私がそのふわふわのベッドで寝ていたせいで、リヴァイ兵長はソファで寝る羽目になったのだから。
慌てて謝罪し、逃げるように部屋から飛び出した。
とりあえず、1か月くらいはリヴァイ兵長に会いたくない。
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