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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第165章 ◇第百六十四話◇嗚咽【運命の決戦編】


「…っ、ひとりに…っ、しないでくれ…っ。」

今の今までなんとか必死に立ち続けていたリヴァイは、との想い出で溢れた部屋で、ついに泣き崩れる。
の香りが残るシーツに顔を埋め、泣きながら、何度も何度も名前を呼んだ。
今まで何度も呼び続けた名前を、その度に優しい笑顔をくれた彼女の名前をー。
もう二度と、返事のない名前を、それでも何度も何度も、呼び続けた。
唐突に甘い果物の香りが強くなった。
そのとき、柔らかい温かさが身体を包んだ気がしたー。

「ーーー!」

声にならない嗚咽が、悲鳴のようになってリヴァイから漏れる。
もう二度と触れられないへの想いが、1人きりでは抱えきれないほどに溢れていく。
抱きしめたい。
キスがしたい。
一緒に夜を過ごしたい。
笑顔が見たい。
照れて染まった頬が見たい。
涙を拭ってあげたい。
怒って膨らんだ頬を笑わせたい。
名前を呼んでほしい。
触れてほしい。
愛してると言って欲しい。
ただ声が、聴きたい。
あぁ、逢いたいー。
息が、出来ない。
がいない世界で、どうやって生きていけばいいー。
愛していたのだ。
自分を愛するよりもずっと、人類が滅びたっていいくらいにだけを本当はー。
本当はー。
だから、彼女が愛したかった世界を、守って生きて行かなければー。
でも、今夜だけは泣かせてー。
愛してる、誰よりもー。
愛してるー。
耳元で、愛の言葉と呼び捨ての名前が、優しく囁かれたー。
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