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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第161章 ◇第百六十話◇起死回生の作戦【運命の決戦編】


兵士としていつも強く気高くいたペトラらしくなかった。
でもきっとそれは、彼女も気づいているからだ。
それを言葉にして伝えてしまった時点で、それをみんなが理解してしまった時点で、この作戦からは逃れられないということにー。
だから、エルヴィン団長は私に言わせてくれなかったのだ。

「エルヴィン団長、、お願いします。私に指示をー。
 時間がありません。時間が…。」

私は強く拳を握る。
必死にただまっすぐにエルヴィン団長を見据えた。
息すらも、止めてー。
7m級の巨人は確実にこちらに向かってきている。
後方の建物も崩壊し始めた。
時間がない。
そう、時間がない。
早くー。早くー。
震える私の脚が、倒れてしまう前に、早くー。
喉の奥の焼けそうな苦しさが、涙になってしまう前に、早くー。
自分の発言を、後悔してしまう前にー。
早くー。

「エルヴィン、指示を出してやってくれ。」

リヴァイ兵長は、目を伏せて拳を握りしめていた。
震える声は悔しさを滲ませていた。
息を呑んだ音が、あちこちから聞こえた。
私達は、知っている。
この世界は残酷だと。
だからこそ、ここで今日、戦うことを決めたのだから。
自らの命を懸けてー。
それでも、きっと今、私の気持ちを一番理解してくれているのがリヴァイ兵長なんだー。
そう思えただけで、私は強くなれた気がした。
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