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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第160章 ◇第百五十九話◇運命の日が、始まる【運命の決戦編】


新月の夜、巨人の動きが鈍くなっている闇夜に守られて、調査兵達はシガンシナ区を目指しただひたすら歩き続けた。
体力のない私は、リヴァイ兵長の厚意とエルヴィン団長の指示によって、出来るだけテュランの背の上で休ませてもらった。
その代わり、シガンシナ区での決戦では十分な働きをしなさいーという無言のプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、ついに夜が明けた頃、シガンシナ区に辿り着いた。

「これより作戦を開始する!!総員立体起動に移れ!!」

エルヴィン団長の号令が叫ばれる。
兵団マントのフードを深くかぶった調査兵達が一気に立体起動装置で飛び上がっていくー。
それは圧巻で、人類の命運を懸けて戦う覚悟の現れー。
トロスト区で私が見た勇敢な兵士達、その姿がそこにあった。
その中に、自分もいることがいまだに信じられないー、そんな私も空を飛んでいた。
エレンが外門を塞ぐことはきっと敵も分かっている。
そして、敵の目的がエレンの力の奪取だということを私達は知っている。
フードを深くかぶった100名以上の調査兵達の中から、敵はきっとエレンを見つけられない。
誰がエレンか分かったときにはもう、外門は塞がれている後だー。

「止まるな!外門を目指して走れ!!」

リヴァイ兵長が叫ぶように声をかけたのは、エレンだった。
ハッとしたエレンが走り出す。
その後ろを私も走った。
ハンジさん達の元までたどり着いて、足を止めた。

「何で…!?周りに全く巨人がいない!?
 イヤそれどこらおか、ここにきて一匹も見当たらない。」
「…おかしいですね。」

ハンジさんと一緒に、私も周りを見渡した。
静かな廃町ーそれしか見えないのはなぜだろう。

「ここは敵の懐の中ってわけだ…だが。」
「やるしかない。作戦続行に支障無し。」

ハンジさんが、作戦続行の合図の信煙弾を上げた。
同じように他の班長達からも続々と信煙弾が上がっていく。
いよいよだー。
エレンが飛び上がる。
そして、あの日、巨人によってあけられた大きな穴を巨人化したエレンが、硬質化の力で、塞いだー。
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