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ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第7章 私が思う事







私が強くこの人と夫婦なのだと実感する瞬間は些細な日常の中にある



例えば朝起きた時2つ並んだ布団で普段警戒心の強い彼が無防備に気を許し静かな寝息を立てている時

朝日が優しく照らすカーテンが小さな部屋を温かく包んで世界中で二人きりの様な錯覚をする


寝起きの彼はいつもに輪を掛けて気だるげで大きな瞳も重たそうに細められていて

慣れ親しんだ部屋に掠れた「おはよう」が聞こえるのだ



然も当たり前の様に二つ並んだ歯ブラシや少し増えた洗濯物



彼の洋服のシワを伸ばしてハンガーに掛けた時ベランダで靡く洗剤の匂いが好きで

彼のシャツと比べれば随分小さく見える私のTシャツが何処か嬉しそうに揺れるのを見て私達は同じ時間を過ごしているのだと実感する



手料理の味付けも少し変わった

彼の故郷の味を知り、似た物を作ってみたり彼の些細な反応を伺いながら濃くしてみたり薄くしてみたり

私ひとりで過ごしていた時には絶対作らなかったチキンのトマト煮込みなんて洋風なレパートリーが増えた

体調管理を怠らない彼の為にものぐさな私が栄養バランスを考えたりしちゃっている事に密かに奥さんなのだと実感したりして



彼は時々私に触れる


悪戯好きな猫がじゃれる様に本当に些細な触れ合い

時には頬にキスをされたり

前なら私に触れる時彼の手は私が少しでも拒否すれば直ぐに離れられる様な繊細な物だったけれど、今は迷いが無く確かめる事をしなくなった





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