第3章 お金より大切な物
「うーわ。出たよ、金持ちの言い分!」
「何でも金で解決しようとするよね」
「こわいよねー」
「うるさいうるさいうるさい!!お金があれば、何でもできるのよ!お金さえあれば、何でも許されるの!!」
「吐き気がする」
「え」
「ほんと、救われないよね」
「〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️!!!何をボーッとしてるの!さっさとやっつけなさいよ!お金はあげたでしょ!!」
「は、はい!お前ら、覚悟しろ!」
格闘家たちがおそ松たちに襲いかかろうとした。その時だった。
「はぁあああああっ!!!」
SPたちが格闘家に跳び蹴りを食らわせた。着地して構える。
「おおっ、カンフーだ!」
「ほう、カンフーか。果たしてどこまで通じるかな?」
格闘家は手をボキボキいわせながら、SPたちに近づく。
「おりゃあっ!!」
格闘家の攻撃をかわしながら、技を繰り出す。その動きはまさに、達人と呼ぶべきものだ。
「いけいけー!!」
「かっこいいーーー!!」
次々にやられる格闘家たちに、令嬢がいらだちをみせた。
「ちょっと!しっかりしなさいよ!何のために多額のお金を払ってると思ってるの?!」
だがしばらくすると、SPたちに疲れが見えてきた。
「へっ!スタミナはないようだな。うらぁ!」
格闘家の強烈な蹴りを食らって、SPの一人が吹っ飛んだ。
「ぐっ!!」
SPの帽子が飛んで、その下から長く美しい髪が現れた。
「あああ!!」
「そんな、嘘だろ?!」
「歌姫!!」
「だから見つからなかったのか!!」
「ほう、女だったのか」
格闘家たちと戦っているSP全員が、あの歌姫たちだった。
「私たちは皆、そこの女に家族も家も財産も、全て奪われた塚本財閥の娘よ」
「塚本…?あ!あのプール付きカジノの!」
令嬢はせせら笑う。
「なぁんだ。あなたたち、あのポンコツ財閥の娘だったの?クスクス。あれは楽しかったわ。屋敷もよく燃えたしねぇ」
「あの火事で両親は死んだわ!」
「私たちはその時に、助けてくれたここのオーナーたちに恩を返すため、カンフーの達人のもとで修行してSPになったの」
「そういえば、女の子たちを逃がしたっけ」
「あっははは!とんだお笑いだわ!修行してその程度じゃないの」
「そうでもないぞ」
「誰?!」
「師匠!!」