第3章 お金より大切な物
格闘家たちが言う。
「家族の笑顔に勝るものは、ないぜ」
「それに気づく機会をくれたあなたに、感謝してるわ。ありがとう」
歌姫は令嬢を抱きしめた。令嬢の目から大量の涙が溢れる。
「わぁあああん!!あぁあああん!!」
やがてパトカーが来て、令嬢を重要参考人として連行して行った。しばらくそれを見送るおそ松たち。やがてそれぞれが推す歌姫のもとへ行った。
「名前を聞かせてくれないか?」
「○○といいます」
「○○、他の歌姫たち。今日をもって、SPを解雇する」
「そんな…!!守らせて下さい、オーナー!」
「ノンノン。今からレディーたちは、俺たち兄弟の女になるんだ」
「そうだぜ。今まで守ってくれて、サンキュー。でもできれば恋人として、ずっと側にいて欲しいな」
「セクロスしたい!」
「十四松兄さん!ごめんね、ほんとに。でも、僕たちだって君たちを守りたいんだ」
「そうだね。守られてるだけじゃ、だめだからね」
「それこそ、クズ…」
「俺と結婚して欲しい。アンダスタン?SPは他にもいるさ」
「そ、それって………」
「俺たちがやるぜ!いや、やります!やらせて下さい!」
「俺たち、あんたの…いや、○○さんたちの心情に感服したんです!」
「令嬢は金のことしか言わなかったが、あんたは違う。俺たちにとって大切なものは何かを思い出させてくれた」
「ふぁふぁふぁ。なら、わしがカンフーを教えてやろう。SPになるのは、それからじゃ」
「師匠!」
「よろしくお願いします!!」
「なら、その間だけは、オーナーたちのSPをさせていただきます」
カラ松は渋った。SPとしてより、恋人として側にいて欲しかったし、これ以上危険なことはしてほしくなかった。だが歌姫たちの師匠が笑って言った。
「はっはっはっは。大丈夫じゃろ。この男たちは、もともと体を鍛えておるからな。すぐにマスターできる」
「その間、カジノは閉めるってのはどう?」
おそ松が鼻の下を人差し指で擦りながら言った。
「名案!!」
「意義なし」
「ちょっと待ってよ!理由はどうするの?!」
「全機種のメンテナンス、とか」
「実際メンテナンスさせないとね」
「あ!!」
○○が声をあげた。
「プールを付けるのは、駄目ですか?」
「「それだ!!」」