第2章 出会い
機能回復訓練も終わりを迎えようとしている。
カナヲの次に私が相手するようになっているのだが、3人とも私と互角に勝負が出来るようになった。
長かったようで短かったなあと振り返る。
訓練を終えれば善逸さんが抱きついてくる。
善「ううう、叶ちゃんとも別れなきゃいけない
のか!!行く前に結婚する?叶ちゃん」
「あはは~ご冗談はそのくらいにしてください~」
善逸さんを引き離し、距離をとった。
毎日毎日善逸さんはこの調子だ。
もう面倒臭いの領域。
し「叶さん。お話があります。着いてきてくれますか」
訓練場にすっと現れるしのぶさん。
表情は変わらないけど、何か大事な話のような気がする。
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し「炭治郎さん達と任務に行ってみてはどうでしょうか??」
お互い正座で向き合っていると急に口を開くしのぶさん。
まさかその言葉を聞けると思わなかった。
自分で言うのもなんだが、継子としてカナヲより期待されていたし、医学や薬学の知識で後方支援もしていた。
特別に最終選別をカナヲよりも先に受けて、いなければならない存在としてしのぶさんと共に鬼殺隊として活躍もした。
だけど
し「叶さんは勉強に励んで、珠世さんと一緒に鬼を人間にする薬を開発して頂けませんか?」
鬼殺隊をやめろと言われるようなものだ。
だから最初はしのぶさんに反発した。
カナエさんの仇。
鬼を滅する為に生まれてきたようなもの。
鬼を殺さなければという感情だけがあった。
でも鬼の辛い過去を何回も見てきて、鬼を人間に出来たらという意志を持ち始めてしまう自分もいた。
薬の開発は容易なものじゃないけど一生懸命頑張ったし、任務に行きたい気持ちも押し殺しもした。
「鬼を人間にする薬はどうするんですか」