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彼が引退するまで(ポートガス・D・エース)

第1章 生きて



おかしい。

私は学校に行こうと買ったばかりのワンピースのボディバックを背負い玄関からいつものように外に出たはずだ。
私の家はアパートの2階、目の前には階段と子供たちがよく遊ぶ公園があるはずで..

だが私の目の前には凡そ日本では見られないような街と市場の景色が広がっていた
振り返っても私の家はないし、玄関もない
これは、これは所謂

「異世界転移.....?」
どうやら私、奇跡の星の元にでも生まれたのかもしれません。
なんて考えながらも、取り敢えずここが何処なのか、言語は通じるのか、格好はこれでも大丈夫なのか、落ち人、渡り人的な文化はあるのか。
現状の立場を把握するべく市場の方へと向かう

気の良さそうな八百屋のおいちゃんに声をかけようとするんだけど、中々勇気が出ずに市場の入口で立ち往生している私は完全に不審者だな、..トホホ人見知りの境地..陰キャが転移するとこうなるんですよ気をつけましょうね。

「キャベツ1箱、りんご1箱、あときゅうり2箱頼むよい」
やけに近くから声優さんみたいに透る綺麗な声が響く。
よいってそんなマルコみたいだなー、なんて思いながらそっと八百屋に再び視線を向ければ
パイナップルな頭で、紫の上着を着て
あの、”マルコ”がいた。

え?なんで?
なんでマルコ?異世界転移じゃないの?
信じられなくて不躾ながらもまじまじと見てしまう
間違いなくマルコだ。コスプレとかじゃなくこれはマルコだ.....

え????つまり???もしかして、ワンピースの世界に来たの...?
立ち去っていくマルコ。
マルコがまだあの姿ってことは現役?船での買い出し...?つまり、
”まだポートガス・D・エースは生きてる?”
え、そんな、そんな
何度も夢見た、ワンピースの世界にいってエースに会いたい。生きてて欲しい、彼が見たい、笑顔がみたい。それに手が届くなんて

危険だとか、海賊だとか、そんな警鐘を放り投げて私は木箱を抱えて去っていくマルコを追いかけた
暫くついていけば森に入っていくマルコ、そのまま木々をかき分けてたどり着いたのは

__やっぱり、モビーディック号....。
モビーディック号が健在ってことはまだ頂上戦争前、やっぱりエースは生きて
「うちの船に何の用だい」

後ろから声がして振り返れば、間近にマルコがいた
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