第3章 新しい姿で
「さて、お二人さん。式はどこで挙げましょうかね?」
「施設の跡地がいい」
「あそこ、何もないよ?」
「ハニーがいいって言うんだ。俺もそこがいい」
おそ松はため息をついた。
「はいはい、わかりましたよ」
みんなで施設の跡地に向かった。
そこは一面、花で覆われていた。
「わあ!」
「ネリネの花か」
「ネリネ?そんな名前なのか」
「花言葉は、また会える日を楽しみに」
「へえ」
カラ松は○○の手を引いて、花畑の真ん中に立った。
「ねえ、カラ松」
「ん?」
「またあの子守唄、聞かせてよ」
「え!あの時、起きてたのか?!」
「あんまりいい声だから、起きちゃった」
みるみる真っ赤になるカラ松。
「ふふっ」
○○がカラ松に口付ける。カラ松も○○をさらに抱きしめ、深く口付けた。
「よくよく考えたら、あの年齢差は犯罪だよね」
「確かに!」
「でもさ、幸せそうな顔してるよね。ずっと殺伐とした顔、してたもんね」
「確かに!」
「ま、あいつが幸せなら、いいじゃん」
「確かに!」
ネリネの花が、優しく揺れていた。
完