第28章 誘うきっかけ(巻島目線)
付き合いはじめたその日のうちに俺は金城と田所に茉璃との事を一応報告した。
きっと金城も田所も朝の俺の様子を見て気づいてたんだろうが、一応部活内の事だから2人にはきちんと報告しようと思った。
そんな俺の報告を2人ともこちらが小っ恥ずかしくなるぐらい喜んでくれた。
ほんと、いい友達を持ったもんだ。
1ヶ月経った今も田所はいつデートするんだとしつこく聞いてくる。
ただ、初めてのデートだ。
あんま失敗はしたくねぇ。
しかも俺はあんま出掛けることとかがねぇからどこに連れていったらいいのかなんてわからねぇ。
そんな事を考えているうちに1ヶ月の月日が流れていた。
そんな俺のことを知ってか知らずか俺の携帯が鳴り響いた。
<もしもーし?巻ちゃん?元気にしているか?>
「うるさいショ」
その電話はいつも通り東堂からの電話だった。
<巻ちゃん?そう言えば茉璃とデートはしたのか?>
「はぁ?おめぇには関係ねぇショ」
<巻ちゃんのことだからどこにいくか迷って誘えていないのではないかと思ってな>
こいつはエスパーかなにかなんだろうか。
絶句している俺を置いてけぼりにして東堂はどんどんと話をする進めて行く。
<そういえば昔からの茉璃は水族館が好きだったなぁ>
始めて東堂から有益な情報が聞けた気がする。
俺はすぐさま少し大きめな水族館のチケットを手配し、茉璃をデートに誘う決心をしたのだった。