第3章 あの人の名前は
次の日、私は昨日の彼にお礼を伝えるべく、同じクラスの手嶋純太に聞いてみることにした。
純太とは席が近かったこともあり入学してすぐに仲良くなった。
純太は自転車競技部だったはずだから、きっと玉虫色の髪の彼のことを知っているだろう。
『ねぇ純太。』
「ん?どうしたんだ?茉璃。」
『純太って自転車競技部だよね?』
「あぁ。そうだけど。なんだ?ロードに興味出たか?」
『元々ロードは好きだよ!そうじゃなくて、自転車競技部に玉虫色の髪色した先輩っている?』
「おう。巻島さんだと思うぜ!2年の巻島裕介。何かあったのか?」
私は昨日の話を純太に話してみることにした。
そしてどうしてもお礼が伝えたいということも伝える。
すると純太は今日の放課後に部室に来てみるかと提案をしてくれた。
私はその言葉に甘えて、放課後一緒に部室に連れていってもらうことにしたのだった。