第20章 提案、そして新たな勝負(巻島目線)
富永の家にて夕飯を頂いた後、富永母の勧めで一番風呂を頂いた。
風呂から上がり俺と東堂が貸してもらった部屋で東堂が上がってくるのを待ちながら寛いでいると突然ドアをノックする音が聞こえた。
『巻島さん?入っても大丈夫ですか?』
「あ、あぁ。大丈夫ショ」
突然の訪問に驚きつつも扉を開けるとTシャツに短パンというラフな格好をした富永の姿が飛び込んだ。
富永は風呂上りなのか肌は蒸気していて頬はピンクに染まっていた。
(ック…これはちょっと…////)
『巻島さん?』
首を傾げながらこちらを上目遣いで見つめる富永を直視できずに明後日の方向をみる。
そして着ていたパーカーを脱いで富永へ差し出す。
「湯冷めするから、これ着ておくショ」
『あ、ありがとうございます』
素直に受け取りブカブカのパーカーを着た富永は少し照れていた気がしてその姿がとても可愛らしく愛おしい。
『あ、そうだ!巻島さん、アイスたべません?』
そう言いながらソーダ味のアイスキャンディーを俺に差し出した。
「あぁ、もらうッショ」
平静を装いつつアイスキャンディーを受け取り、2人で部屋にあるソファーに腰掛けると袋を開け食べ始める。
(クハッ。これはこれで…なんて言うか…エロすぎショ…)
風呂上り、短パン、ブカブカパーカーというなんとも刺激的な姿に本能と理性を戦わせ、それを悟られないようにアイスを食べていると風呂から上がった東堂が部屋へと戻ってきた。
「ん?茉璃きていたのか。なんでそんなにぎこちない感じなのだ?というか、ならんよ!アイスキャンディーは!身体が冷え「テメェは俺らの母親か!」
東堂がいい終える前にツッコミを入れると、富永は横でクスクスと笑う。
その姿をみて俺たちも笑う。