第48章 とある部活の日(巻島目線)
個人練習が終わり数日たったある日。
俺は裏門坂を登り終え木の下のベンチで休憩を取っているところだ。
俺らに遅れて2年、1年が戻ってくると茉璃はドリンクなどを持って駆け寄っていく。
この数日で茉璃はすっかり1年と仲良くなっている。
俺はボンヤリと茉璃たちの会話を聞いていると鳴子の口から思いがけない言葉が飛び出して来る。
「いやいや、お世辞なんかじゃないですよ!こんな綺麗なんやったら男が放っておかないんやないですか?あ、ちなみに彼氏おります?おらんのやったら…」
俺は咄嗟にベンチから立ち上がり、気がつくと茉璃の真後ろに行き、茉璃の頭に掌を乗せていた。
そして
「こいつは俺のショ。手出したら死刑な」
という言葉を恥ずかしげもなく口にしてしまったのだ。
そっと茉璃の方を見ると耳まで真っ赤にして恥ずかしそうに鳴子の質問に肯定する。
そしてそんな茉璃と俺のことを生温かい目で手嶋が見ている。
俺はその場にいることがいたたまれなくなり照れていることを隠すようにその場を去った。
そしてロードに跨り正門坂からいつもの練習コースに入って行くのだった。
「1年に向かってなにあんな恥ずい事言っちまってんだ俺ェ…!」