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【鬼滅の刃】ウタカタノ花

第30章 歪な音色(前編)<参>


初めて彼女の声を聞いたとき、善逸は思った。この人は、本当に人間なのだろうかと。
彼女の発する声は独特な波を持っていて、聞いている人の頭や心を動かす。

現に自分を励ましてくれた時の声を聞いていると、今まで感じていた恐怖が消えていくような気がした。勇気が湧いてくるような気がした。

故に、彼は思った。彼女の声は、人のものではない。
かといって鬼でもない。人と鬼を通り越した

――何か、であることを。
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