第1章 白昼夢
あ~だりぃよ~、くそぉ…
うららかな日差しが入り込む午後の陽気に目を細めながら、俺は力無く廊下を歩いていた。
朽木隊長…すげえしつけえんだもんなァ、参るぜ…
昨晩隊長に散々求められたことを思い出し、ため息が漏れた。と同時に頬が赤く染まってしまい、慌てて俯く。
そこへ廊下の先から俺を呼ぶ声がした。
「おーい、阿散井くーん」
顔を上げると、藍染隊長がにこやかに手を振っているのが見えた。
「お疲れ様…どうした?元気ないね」
俺がダルそうにしていたことにすぐ気が付いて、藍染隊長は心配そうな表情になる。
「任務で疲れてるのかい?少し休んだほうがいいんじゃないのか?」
「あ、いえ…大丈夫っス」
すると隊長はフッと口元に小さく笑みを作る。
「少しお茶するくらい、いいだろう?」
無下に断ることも出来ず、誘われるままに俺は藍染隊長の部屋へ向かった。
「どう?六番隊にはもう慣れたかい?」
こちらに問いかけながら俺に楽にするよう促す隊長。俺はお言葉に甘えて足を崩した姿勢で畳に座った。
「ハイ」
「そうか。君は朽木隊長とも仲良くやっているようだし、頼もしいな」
その言葉にややトゲがあるような気がして、俺はどう答えればいいか分からず口をつぐんだ。
「ただ、余り仕事熱心なのもどうかと思うよ」
「え?」
「朽木隊長は君をこき使い過ぎるようだね…」
低めのトーンでそう告げると、藍染隊長は俺を視姦するようにねっとりとした視線を送ってくる。俺は小さく息を呑んだ。
…さっきから朽木隊長の話題ばっか……夜の生活のこと、バレてる?
「君を見ていれば分かるよ」
俺の心を見透かすような台詞と共に、藍染隊長は俺のすぐ傍まで詰め寄ってきた。
「色気垂れ流しでその辺を歩くものじゃないね」
隊長の手が俺の胸元にスッと伸びてくる。そのまま肌を伝いながら死覇装を肩から落とした。
「ほら…これは何?」
藍染隊長は俺の胸に残る紅い痕に指先で触れた。