人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 卒団、そして入団
バーーンッッ!!
「リヴァーイ!早速アーニャを呼び出したってー!?初日からやるなー!このこのー!」
兵長へ今の私の気持ちを伝えようと覚悟を決めて口を開いた瞬間。
背後のドアがドカーン!と開いてとんでもないテンションのハンジ分隊長が飛び込んできた。
その後ろには申し訳ありませんと頭を下げるペトラさんと、分隊長を引き留めていたのか肩で息をするモブリットさん。
ドアが開いた瞬間こそ心臓が飛び出るかと思うほど驚いたものの、状況を理解すると先程までの早鐘を打つ心臓も顔面の熱も蝋燭の火を消すかの様にサッと消し去り、替わりに兵士としてのあるべき表情を意識する。
いつだってそうやってポーカーフェイスを作ってきた。
自分の中の蝋燭を一度吹き消して新しい蝋燭に素早く点火する。そんなイメージで自分の表情や仕草をコントロールしてきた。
素早く立ち上がり敬礼する。
「ハンジ分隊長、モブリットさん、ペトラさん、お疲れ様です。」
まだ座ったままこちらを見上げる兵長の視線が痛い。
やめてやめてそんなに見ないでください。
「あ!アーニャおつかれ~リヴァイに変な事されてないかい?リヴァイねちっこいプレイとか好きそうだから心配でさぁ!」
「おいクソメガネ…」
ハンジ分隊長、やっぱりとんでもない人だなと返答に一瞬悩んでいるとゆらりと兵長が立ち上がる。
あぁどう見ても怒ってらっしゃる。間違いない。だってさっき私を殴った時と同じ顔をしている。
人類最強の怒りの矛先が向いているにも関わらずハンジ分隊長はニコニコ、いやニヤニヤしながら私の肩を大丈夫だったー?と叩いてくる。
「変な事なんてとんでもありません。
兵長には訓練兵時代に1度特別講師として指導していただいた事があったので入団のご挨拶をしたくてお邪魔しておりました。
兵長、分隊長とのお話の邪魔になってはいけませんので自分は失礼させて頂こうと思いますがよろしいでしょうか」
「クソメガネと話すことなんざないが、まぁ良い今日は下がれ」
退室を許可されたので失礼しますと軽く頭を下げてドアへ向かう。
ハンジ分隊長はお茶していこうよ~なんて仰ってるがここは兵長の執務室では?
お茶は丁重に断り執務室の入り口で再度敬礼して私は執務室を後にした。
部屋の扉を閉めた瞬間、脱兎の如く全力疾走でリリアの待つ部屋へ向かう。