人類最強が見つけたクソガキ【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 卒団、そして入団
「ーーー以上をもって、貴様ら第103期南方訓練兵の卒団を許可する。解散!」
教官からお前らはゴミクソからゴミに成長した程度だ調子に乗るなという激励…激励??をもらい卒団試験を合格した私達は明日から正式な兵士として改めて心臓を捧げる。
もうキース教官に「キィィス!!!」と怒られるキースが見られなくなるのはちょっと残念ではある。
同じ名前のせいで教官の見る目が厳しくなっていたのは気のせいではなく、訓練兵の中では有名な話だった。
でもそのシゴキのお陰でキースの卒団時の成績は私とリリアに続いて3位だ。
因みに入団当初憲兵団を希望していたキースだが1年程前から調査兵団に入ると言い始め、実際に3位の上位成績にも関わらず調査兵団に入団するらしい。
理由は聞いても教えてくれなかった。
何はともあれ今年は南方訓練兵団のトップ3が調査兵団に入る事になったので各兵団ではちょっとした話題になったようだ。
「マクドル、ちょっと待て」
「はっ!」
今夜まで使用が許可されている宿舎へ戻ろうとしたところをキース教官に呼び止められた。
「貴様の入団希望はどこだ」
今更なんだろうか?教官にも何度か伝えた筈なのに。
「調査兵団であります。」
「よし、ならば問題ない。解散」
え?いやいやどういうことだ??
「教官、自分が憲兵団を希望したらなにか問題があるのでしょうか?」
こわいこわいこわい。3年たってもこの教官の睨みには慣れない。
強い兵士を育てるためにあえて鬼になっていると信じているけど訓練中何度か角が見えた気がしたのはきっと私だけじゃない筈だ。
「別に問題はない。ただ憲兵団に行くのなら申請書と共に追加書類の提出が必要になる。」
「追加書類?」
教官が手元の封書を開封しペラリと中の書類を私に見せてくれた。
「ゲッ!」
「身辺調査書だ。
貴様の出生地で憲兵を希望する場合はこの書類が必須だ。」
そこには私の名前と共にユーゴという男として生活していた時の名前が記載されていて、その下にはユーゴとして生活していた場所、暮らしぶりなどが記載されていた。
よく調べたな……
「だが、調査兵団なら必要ない。話は以上だ。」