第39章 炎(ホムラ)【ドフラミンゴ】
たとえ悪事をはたらかずとも
一時の肩書きに翻弄されて
私たちは捕まり紐で壁に吊るされた
父の愛は、私達兄妹を守ろうとしたことから、本物だとわかったけれど
本当に愛しているならと高望み
目隠しされて吊るされた
右に父と次男、左に長男の声がする
泣き叫ぶ声
下からも泣きながら叫ぶ人間がいた
天竜人に遊ばれた者も、遊ばれた子をもった者も
殺されたものもいた
けれどそれは見に覚えがない話
別の天竜人だ
だが天竜人が人間は奴隷と勝手に決めつけ一括りにしているように
人間からしたら天竜人は天竜人で一括りなんだろう
矢が放たれて父や長男、次男に刺さる
私だって刺さった
決して顔には当てられなかった
売るために
決死を覚悟して逃げた先で生き延びた我々は
父を殺した