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Deep Blood ーラブヴァンプー

第4章 つもりに積もったチリは、華となるか、凶器となるか。


遡ること、20時間くらい前。




『未琴の体調が良くなくて、今日も明日も未琴についてるからいけなくなった』



そんなラブレターが携帯に届いたのは、昨日の夕方。
別に会う約束などしてはいないけど、だいたい凛をウチに拉致るのは毎日の日課となっていて。
どこに行くでもなくブラブラと街を歩き、お互い一人暮らしのどちらかの家で過ごしていた。
当たり前のように過ごしていたこの日課がもう一年近く続き、特に疑問さえ持つことなく日々きれいに可愛く花咲く凛を眺めていられるのは幸せでさえあった。
それは凛も同じだと、思っていたのだけど。








『未琴さん具合悪いの?俺も行こうか』

すぐに電話してそう、言えば。

『大丈夫。ただの風邪だと思うから』
『そうなの?』
『うん、だからごめん』
『わかったよ。何かあったらすぐ電話してね』
『うん、そうする』


短い会話が終了し、特に疑問にすら思うことなく家へと帰り。
特にすることもなく時間をもて余していた。
最近そーいえば凛と過ごしてないな。
ふとそんなことが頭をよぎったけど。
でも夜は一緒にいたし。
学校では常に一緒。
特に凛におかしなところは見当たらず、まぁそんなこともあるかな、くらいにベッドへと手足を投げ出した。


「…………」



だけど。
1度でも根付いた疑問を払拭するのは難しく。
特にひとりでいるとマイナスなことばかりが頭に浮かぶから不思議だ。



『凛ちゃん、未琴さん大丈夫?』



なんとなく打った携帯へのメール。
だけどそれが既読になることはなく、ますます変な不安だけが増していくのだ。


「………〰️あぁっ、もうっ!」



自分がこんなめんどくさい性格だなんて思わなかったけど。
とにかく気付けば。
携帯と財布をポケットへと無造作に押し込み、家の鍵片手に外へと出ていた。



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