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Deep Blood ーラブヴァンプー

第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない


「……信じないんじゃないの?」



『運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない』


そう、言ってた。



「信じてないよ」


ふわりと、風に乗って凛の声が心地よく響く。


「……二度続けば、信じるって言ったでしょう?」



座ったままに首だけ動かして凛を見れば。
たち膝の分、少しだけ高い位置から俺を見下ろす凛と目があった。


「記憶消したの?」
「消した覚えはないけど。こんなに甘い血、1度飲んだら忘れないもん」
「なんで忘れちゃったんだろ?」
「子供の記憶なんてそんなもんでしょ」


うーん、と悩む凛の頭へと手を伸ばして。
そのまま凛を引き寄せる。




「………少しは場所考えてよ、いつも」
「なんで?キスしたくなったらするでしょ普通」
「普通は我慢するんだよっ」
「凛を前にして我慢なんて出来るわけないじゃん」
「するの!!人に見られたらどーすんの?」
「見せつければいいじゃん」

「……バカなの?」

「なんで?本気だよ?」


「もーいい。未琴の様子見てくる。」



「……あー、凛ちゃん」


くるり、と。
気持ちいいくらいに颯爽と踵を返す凛へと、気まずそうにかけた声。

「なに」

「今は行かない方がいいかも」
「は?」


踊り場へと右足を凭れさせ、気まずそうにさらに続ける。
ついでに。
頭の後ろ掻いちゃったくらいにして。



「……未琴さんが咲に好意を寄せてるなら。今頃はたぶん」


「━━━━━はぁ!?」



あ、良かった。
ちゃんと意味通じたんだ。
ゆでダコみたいに真っ赤に顔を染める凛が、それを物語る。




「なんで?」
「言ったでしょ、俺たちの体液は『濃い』んだよ」


咬んだ時に、記憶を消すなら血流を操作する、からなおさら。
唾液が体内に入れば、それは一瞬で血液を沸騰させる。


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