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KISS ・ ME 【気象系BL】

第1章 ♥︎ ONCE ・ AGAIN ♥︎




【 二宮 和也 】


—— 俺の恋人は、ちょっとヘタレさん。
ちょっとって言うよりも、本当にヘタレ。

俺と付き合い始めたのはもう半年前かな?
それなのにね、彼氏さんったら一向に
手を出してこないの。

ほんと、困っちゃうんだから…。


俺だって、男だし。
思春期真っ盛りの高校生。


そりゃあ、キスとか?
え、えっちなこととか…興味ありまくりだよ。


やっぱりさあ、付き合ってるのに
半年以上も何もないのって『変』だよね。

でも、俺からなんか言うのもって思って
ズルズルそのまんまなわけなんだよねぇ。
…どうにかしてよ、『翔ちゃん』。


あ、俺の恋人っていうのが『翔ちゃん』ね。
俺たちが通ってる学校の生徒会長さんなの。

だからお堅いのなんのって。
高校生なんだから、健全にって。
耳にタコが出来るくらい聞いたの。



「ああ、もう本当にヘタレ翔ちゃん!」
「…なんだって?」
「——っ、うげ」



隣で参考書と睨めっこしてた恋人に
思わず声に出して言ってしまった事を
堂々と聞かれてしまった。

すっかり隣に居たこと忘れてた。
本に夢中になると一気に存在感消すんだもん。



「ヘタレってなに?」
「ヘタレはヘタレだよ…だって」
「だって…?」
「翔ちゃん、キスしてくんないもん」
「んなっ!? そ、それは…お前!」
「なに? 俺の周りだって付き合ってたらキスくらいしてるよ?」



ムスッと唇を尖らせると、
顔を真っ赤にした翔ちゃんが
ゴニョニョと口ごもった。


……その赤い唇とキス、出来たらな。



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