• テキストサイズ

植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第11章 「ノビル/セイヨウカラシナ」





『いただきます。』と
手を合わせるのはもう習慣になった。





「どうだ?」




『待ってよ、まだ食べてない』





さやかはパスタをフォークに
巻き付けて口へ運んだ。




フォークから零れる
ノビルの玉もすくい、
追っかけで口の中に放り込む。





味の想像は全くつかない。




何しろ店やコンビニのように名前や
味の説明が全くない初めてのパスタだ。




しかも材料もパスタと
ベーコン以外は初めてときている。





『......やだ、おいしい』




「やだとは何だ」





リヴァイが珍しく
ふてたような声を出す。





『おいしいのに説明
できないからイヤなの!
やだもうおいしい!』





ようやくリヴァイが
満更でもない顔になった。




味付けは基本的にパスタの茹で汁だけだ。




それなのにそれだけの味ではない。




ベーコンの甘さと
塩気は予想通りだったが、




セイヨウカラシナのほろ苦さと
ノビルの甘さ!




特に球根部分をカリッと噛み砕いた
食感と甘い滋味は〝アレみたいな〟
と説明できるものがない。





『わー、このノビル!これ、何?!
こういう感じのもの食べたことないよ!』




「味だけならネギとかに
近いんだろうが....
球根の食感が加わるしな」




『ああそうか、ネギ』





あまりにも身近すぎて思いつかなかったが、
確かに味だけならネギの甘味に似ている。




しかし、リヴァイの言うように食感まで
加えるとやはり似た野菜は思いつかない。




このノビルがアクセントになって
パスタは絶品と言っていい
料理になっていた。


/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp