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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第11章 「ノビル/セイヨウカラシナ」





次はセイヨウカラシナだ。



これもやっつける気になっていたのに、





「湯が沸いてきたし急ぐぞ。代われ」





あっさり降板宣言され、さやかは
膨れながら包丁をまな板の上に置いた。




しかしさすがに
リヴァイの手際は鮮やかである。




セイヨウカラシナの葉を太めの
ざく切りにして、ツボミ一掴みと
一緒に別のザルで水洗いする。




沸いた湯を待たすことなく、
スタンバイしていた
セイヨウカラシナを投入。




茹で時間は勘だろう、
流しの中に置いたザルに
セイヨウカラシナを茹でこぼす。




アクを抜いたのだということが
分かる程度にはさやかも
料理の手順を見覚えた。





「さやか、冷蔵庫のベーコン持ってこい」





さやかがベーコンを
出している間に、リヴァイが流し台の
下から取り出したのはパスタだ。





『え、パスタになるの?』




「今日は一品料理だ。旨いぞ」





リヴァイが作るのだから
それは鉄板だが、意外だっただけだ。




菜の花の仲間というから、
セイヨウカラシナはおひたしか
何かになるのかと思っていた。



リヴァイが中華鍋を出して水を張り、
塩を適当に振り入れて火にかけた。




塩を入れたからこれで
パスタを湯がくのだろうが、





『リヴァイって何か湯がくとき
中華鍋よく使うよね。
パスタなら寸胴鍋のほうがよくない?
一応あるよ』




「湯がき物のときは
浅い鍋のほうがいいんだ
すぐに湯が沸くからな。


麺類も家で湯がくなら中華鍋で充分だ。


さやか無駄に
台所用品充実してるしな。」





とリヴァイがからかう様に小さく笑う。




片手中華鍋のほかに
フライパンもちゃんとある。





「両方の径が揃って
フライパン用の蓋があるのは評価高いぞ」




『最初は頑張って
自炊しようと思ってたもん。
私は形から入るタイプだから』





そう言うとリヴァイが肩を揺らして
笑いをこらえるかのようにしている。





「だろうな、使った形跡のない
量りとか電動泡立て器とか
色々出てくるしな。」




『今リヴァイが
色々活用してるんだからいいじゃないっ』




「俺は今さら分量なんぞ
いちいち図らねえけどな」


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