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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第11章 「ノビル/セイヨウカラシナ」





さやかはさっそく手近な所から
ツボミを摘み始めた。




売っている菜の花よりも茎が細いが、
折り採った感触は滑らかだ。




例によってリヴァイが
何枚か持ってきていたレジ袋の
一つにツボミを溜めていく。





『どれくらい?』





前回ツクシとフキノトウを
取りすぎて苦労した経験が
素直にリヴァイの教えを請わせた。





「そうだな、この袋に八分目までだ。」





リヴァイが改めて掲げた袋は、
コンビニで使う中サイズくらいだ。




それでも八分目まで詰めたら
結構な量になることは
既にさやかも学習済みだ。




そもそもこうしたことに関する
判断はリヴァイのほうが正確である。





「一つの株から根こそぎ掴むなよ。
少しずついけ」





そう言われて、ゆっくりと歩を
進めながらツボミを折り採っていく。




花が咲いていないもの、
と言われてツボミが
身を固めているものを選んで取った。




葉のどぎついほどの
濃い緑に比べて、
茎やツボミの緑が淡い。





「もういいぞ」





リヴァイにストップをかけられるが、
目の前にまだまだあるツボミを
見ると欲が出るのは前回と同じ。




だが、経験でグッとこらえる。





『......こういうのって、
引き際わきまえるのが難しいんだね』




「....ほう、分かってきたのか」




『ツクシ疲れたもん、学習するよ』




「学習するのが早いんだな」





リヴァイが小さく笑いながら
その場にしゃがみ込んで、




株から柔らかそうな
葉を選んで数枚摘み採った。




これでセイヨウカラシナに
ついては終了らしい。





『結構たくさん採ったけど大丈夫?』




「ああ、これはあんまり
手間かからねえからな」




『次は何かあるの?』




「そうだな、新顔はあと一つ。
フキもまだ時期だから採ってくぞ。」





そしてリヴァイが
いたずらっぽい感じで尋ねた。


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