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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第10章 「深い意味はない」





「街中にでも出るなら女は
そうもいかねえんだろうが、


俺はさやかが
化粧してないほうが好きだがな。


勿体ねえぞ、さやか肌綺麗だしな。
散歩くらいでいちいち化粧することねえぞ」





動揺して手元のパウダーファンデを
洗面台の中に落っことしてしまう。





『てっ......手入れ、まめにしてるからね』





くっそぉ この天然たらしめ!





『じゃあ、あの、口紅だけね。
私口紅引かないと顔色悪く見えるから』





「ああ、さやか色白いもんな」





それは納得したらしいが、
それを何の気なしに口に出す所も......





落ち着け!





この男の好きとか
キレイとかに深い意味はない!





多分恐らく確実に天然だ!





ていうか意識してたらこんなこと
真顔で言える男なんかいる訳ない!





手早く口紅を引いてさやかは
洗面所をリヴァイに明け渡したが、




持っている中で一番淡い色を
選んでしまった辺り、




翻弄されている自分を
自覚せずにはいられなかった。





そしてお互いの支度が済んだ。





リヴァイがカメラを
持っているのは以前と同じだが、





『そんなの持っていくの?』





リヴァイが提げているレジ袋の中には、
庭の草むしり用のスコップが入っていた。





「今日の狩りにはこれが要る」





『あ、じゃあこれに入れていいよ』





さやかは押し入れに駆けていって、
突っ込んである死蔵品の中から
ナイロンのトートを発掘した。





『小道具持ち歩くときあるなら、
これ散歩用にしよう。
どうせこれ、電器屋さんの景品で
もらったやつで使ってなかったの』





しわくちゃのレジ袋をそのまま
提げて歩くというのも情緒がない。




景品だったという話でリヴァイも
心のハードルが下がったらしい。




素直にクリーム色のトートバックを
受け取り、提げていた荷物をしまう。


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