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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第5章 「気持ちが傾く」





『ごめん、長湯したから
ぬるくなったかも』




「問題ない」





と言いつつ リヴァイが風呂場の
湯沸かしの温度を調節する。




お湯を少し抜いて熱湯を
足せば湯冷めしない温度に回復する。




......でも、





『入浴剤、気持ちよかったから
リヴァイにも入らせてあげたかったな。


私がもっと早く上がればよかったね。
香りが薄まっちゃう』




「あれはお前に貰ってきた。
さやかが楽しめばそれでいい」





それは多分口が滑ったのだろう。
やっぱりわざわざ貰ってきたのだ。




口が滑ったことに気がついていない
リヴァイに にんまりする。





「浴室に充分香りが残ってる。
......カモミールだったんだな」




『匂いだけでわかるの?』




「園芸品種はあまり知らねえが
こういうやつは、特徴を
極端化するから分かりやすい」





一体こいつはナニモノだろう......




と思うのはこんな瞬間だ。






「......で、気分はどうだ?」




『おかげさまで、癒されたよ』





ならよかった、と
小さく笑ったリヴァイが
ちょっと困ったように首を傾ける。





「おい、そこにいられると
俺が脱げねえだろ」




『ごめん!』





用が終わったのに脱衣所を兼ねた
洗面所を占領していたことに気づき、




さやかは悲鳴を上げて
廊下に飛び出した。


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