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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第17章 「増えた鍵」





何の気なしに訊いてしまい、
これはもしかして
NGかなと口をつぐむ。




相変わらずこの同居人の経歴は
謎のままで、そこに触れてはいけない
気配が漂っている。だが、




これは何とかセーフだったらしい。






「まあ確かに
勉強しなかったわけじゃないが、


好きこそものの上手なれ、
てところだ。


写真覚えたのも草花に
興味があって記録取りたかったからだ」




『へえ』






頷いたさやかは図鑑の
ワラビのページをめくった。




見開きになった隣のページには、
同じシダ類だからだろうか
ゼンマイが紹介されている。






『いいなあ、有名どころだなあ』






でもさすがに三時間は歩けない。

 


往復六時間、
学校の錬歩会か何かかという話だ。






「もう一台自転車が
あれば行けるんだがな。
サイクリングにも
ちょうどいい距離だしな」






リヴァイが風呂場のほうへ去った。




バスタブに湯を張る
太い水音が聞こえてくる。




さやかはまた図鑑に目を落とした。






『自転車がもう一台
あったら行けるんだ。
二人でサイクリングって
いうのも楽しいかも。』






そんなことをリヴァイに
聞こえない小さな声で呟いて、




マンションの自転車置き場の
スペースを思い返す。




マンションと言いつつ実態は
集合住宅に近いこの物件は、




駐車場がついていない
代わりのように自転車置き場は結構広い。




もう一台増えても余裕だ。




そんなことを考えて......


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