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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第16章 「春の野花 - タンポポ、イヌガラシ、スカシタゴボウ」





「要は、食べられる野草でも
味のランクがあるってことだ。


おひたしにするって図鑑に出てても、


青臭くて味付けを濃くしないと
いかにも〝草食ってる〟って
感じのもが多い。


シロツメクサも割と......」




『へえ、そうなんだ』






山菜図鑑に載っているものは
総じておいしいものだと思っていた。






「要するに、毒さえなけりゃ
大抵のものは食おうと思えば食える。


料理法も似たり寄ったりだ。


天ぷらか油炒め、おひたし、
煮びたし、和え物系。


アクが強けりゃ
アク抜いてから料るだけだ


どれもおんなじように
旨いとは限らない」




「毒じゃないって程度のものでも、
山菜扱いで図鑑に載ってたりするぞ。


カラスノエンドウって知ってるか?」




『あ、分かる』






街中にも気軽に生えているので、




小さい頃にままごとに
使ったこともある。






「味も食感も特徴のない〝草〟だ。
実を汁の具にするのは面白えがな」






ミニチュアの
さやえんどうのような実を
汁の具にというのは
確かに図鑑に出ていた。






「山菜図鑑は平民から貴族までが
一緒くたになってるようなもんだ」




『そうなんだぁ......』




「勉強熱心なのはいいが、
本の知識だけで夢見たら失望するぞ」






何気なく頷きかけて




 





『.........ん?』








途中で箸が止まった。









恐る恐る目を上げてリヴァイを窺うと、
屈託のない笑顔を向けられた。


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