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酒と涙と女とマフィア(カラ松視点 死ネタ)

第1章 とある噂


「俺を、雇わねぇか?」

!!

「お前か!!しかもなんだ、その言葉使い!レディーたるもの、もう少しだな…!」

「ごちゃごちゃ、っせぇんだよ。雇うのか雇わねぇのか、はっきりしやがれ!」

女の手首を掴む。ほっせぇな。女ってこんな、柔いのか。

「放せ!燃やされてぇのか!!」

バン!

壁に手をついた。決まった…と思ったが、キティは眉ひとつ動かさない。

「とにかく、お前をホームに連れていく。雇うかどうかは、リーダーが決めるさ」

キティが盛大にため息をつく。

「なんだ、てめぇ。三下か」

さ、三下?!プツッと何かが切れた。

「おい、女。付け上がるのも、いい加減にしろよ。松野ファミリーが次男、カラ松だ」

「そうかよ。いいからさっさと、連れて行け」

「逃げるなよ?」

「はぁーーーーーーー。めんどくせぇな、てめぇは。だったら、俺の後ろを行けばいいだろうが」

女の後ろに周り、道を指示する。

「そのドアだ」

女がドアを開くと、十四松がいた。

「わあ、お客さんだよ!あ、カラ松兄さん、お帰りー」

「ああ。連れて来たぜ、ブラザー」

「へぇ、見つけたんだな」

「お疲れ、カラ松。いらっしゃい、お嬢さん」

「あ?やめろ、気持ちわりぃ」

あ、トド松がチョイ切れの顔してる。

「なに、お姉さん。調子乗ってると、痛い目見るよ?」

「はぁーーーーーーー。ったく、どいつもこいつも…」

おそ松も、イラッときたらしい。ポケットからナイフを取り出し、キティの目の前でちらつかせる。

「自分の立場、理解してないのかな?分からせてあげようか?」

キティが何の躊躇もなく、そのナイフを自分の喉元に持っていった。さすがの俺たちも、焦る。

「ちょ!何してんだよ!」

「あ?殺すんじゃねぇのかよ?やり易いように、してやってんだろうが」

ついに一松が、ブチ切れた。

「このアマ!付け上がりやがって!」

長い髪を掴まれ、観念すると思っていた。が、それはとんでもないミステイクだった。キティはおそ松のナイフを奪うと、掴まれた髪を切った。

「え…っ」

一気に頭の熱が冷める。なんて女だ。傷つくことも、髪を掴まれることも、恐ろしくないのか?!

「ん」

「あ、ああ」

ナイフを返されたおそ松も、髪を掴んだ一松も、呆然としている。とんだキティがいたもんだ。


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