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「新テニ×マヨイガ」理想のペア、マイマイと納鳴村脱出!!

第1章 理想のペア、マイマイと納鳴村脱出!!



 「わかった。ゆっくり行っているからな」
 丸井は小さい歩幅で先に歩きます。木手はその約2メートル後ろを歩き、丸井について行きます。



 しばらく時間が経つと、木手は丸井が保健室に向かっている方向とちがうところを歩いてしまっているのではないかと思い、声を掛けました。



 「丸井くん、あなた、保健室がどこか知っていますか?」



 「いや、知らねえ。何となくあっちかなって方向を歩いていたからな」



 「やっぱり……。ちなみにオレたちは今、どこを歩いていますか?」



 「あ、あれ?」



 「丸井くん……」
 この沈黙の中、聞こえたものはコオロギの鳴き声だけでした。



 「でも、オレ、真っ直ぐ歩いていただけなんだけどな」
 人差し指で頬をかきながら困った表情で丸井が言うと、



 「どこか右か左を曲がるんじゃなかったのですか?」
 と、木手はメガネを光らせていました。



 「そっかぁ、どっか曲がるんだったか。なあ、キテレツ、戻り方って……」
 丸井が恐る恐る木手に尋ねると少年は首を振ります。



 「わかるわけがないでしょう」



 「……こういうときは、先に進んで誰かに聞こうか」
 
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