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千年越しの恋情記 【鬼滅の刃】

第21章 忙しない呼吸




自分で喋っていて改めて思うが、なんとも不甲斐ない結果だ
怪我こそないものの、それは無惨が敵意を見せてこなかったからで…

日輪刀で貫いた時も、私には激痛だったが無惨の表情は凛としていて痛みなど感じていないように見えた


それどころか最後は無惨の血に当てられてすっかり動けなくなってしまった始末…



「…取り逃したのは私の責任です。いかなる処罰も覚悟はできています」

「依千…顔を上げて。確かに結果は望んだ物ではなかったかもしれない。でも今まで姿を表さなかった無惨が微量でも情報を残したんだ…無事に帰ってきてくれただけでも私は嬉しく思うよ」

「ですがそれでは示しがつきません。納得しない者も必ず出てきます。いくら情報を規制してもこのことはすぐに広まります」



他でもない無惨と対峙したという情報は、鬼殺隊にとってまたとない好機を得られる唯一の情報

それを私は逃してしまったのだ

鬼であるのなら、人よりも無理をして無惨を追い詰めることができたに違いないのに


ただでさえ鬼が鬼殺隊員をしていることはあまりよく思われてないのにこの体たらく…どんな反発を買うかわからない



「意思は堅いみたいだね…そこは認めよう。でも無惨や上弦の鬼の出現情報は全て依千が得てきてくれている…鬼たちが動き出してるのは確かだ。しかも依千が何らかの引き金になっている」



上弦ノ三は私に明らかな殺意を向けて殺しに来ていたようだけど…

偶然だとは口走っていたが、無惨も実は何か意味があって私の前に現れたのか…


今となっては真相なんてわからないけど、無関係ではなさそうだ…
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